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意思決定のタイミング (Timing of Decision Making)

Kenichiro Komazawa
1年前

職業柄、日々いろいろなお客様にいろいろなテーマでのIT施策を提案していますが、一つとして同じ提案はありません。ある時は速攻で採用が決まったり、ある時は何ヶ月も決まらずお蔵入りになったりするものもあります。 提案の内容も様々で、即効性を求めた規模の小さな提案から、数ヵ年での長い積み重ねが必要な大規模な提案もあります。当然ですが、後者の提案は中々お客様と合意をとることは難しく、方向修正を余儀なくされることも多いです。

このような提案を繰り返しているうちに、あることに気づきました。それは提案を受け入れるかどうかを決定するのは人間であるということです。(当たり前のことを言ってます) その人間(チーム)が様々な角度から、比較、分析し、その提案を実施することのメリットがデメリットを上回ると判断した時、その提案は採用されます。

私はこの意思決定のプロセスには、「集中力」と「想像力」という2つの力の限界があり、その限界に達した時が意思決定のピークだと考えました。その瞬間に最高のインプットをしなければ、そこからどれだけ多くの情報を提供しても、集中力や想像力は復活することは難しいと思います。

意思決定

上の図で言うと、2ヶ月目の山(青線)が集中力・想像力のピークです。ここでお断りしておくと、私の理論はあくまでも一般企業におけるITプロジェクトを対象にしており、長い年月をかけて研究するような学術的なものや、数年かけて制作する芸術的なものには当てはまりません。IT業界では「概念的実証 (Proof of Concept)」と呼ばれる、短期的に効果を検証し、本格的に採用するかどうかを判断するようなプロジェクトをイメージしています。

この集中力・想像力の曲線とは異なり、そのプロジェクト提案が失敗するリスクは時間と共に増加します。時間が経てば、別の優先事項が出たり、予算が取れず頓挫したりします。何よりも、メンバーの集中力や想像力が落ちてきますので、あとはグダグタになって終わることが多いでしょう。

この集中力・想像力の曲線と連動して、デザイン思考や意思決定プロセスを当てはめていくと、面白いことわかりました。いずれのプロセスでも中盤に位置するところに、集中力・想像力をた高めるためのプロセスがあります。デザイン思考なら、「概念化」や「試作」であり、意思決定プロセスでは、「解決策の提示」「エビデンス検討」「選択肢の提供」です。

お客様が集中していて想像力を豊かにする数週間の期間で、試作品を見せ、コンセプトを明確にし、意思決定をしやすいように、課題を整理し解決策を提示するという作業を一気に行う必要があると言うことですね。

このタイミングを逃して、明確な試作品もなくコンセプトも曖昧では、意思決定を行うための選択肢が明確になりませんので、結果として提案は失敗するでしょう。

「はじめチョロチョロ中パッパ」とはお米を炊くときのコツですが、提案もお米を炊くようにメリハリをつけたいですね。


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Kenichiro Komazawa
1年前
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